科学は信仰を否定できるのか?

ひさびさに読み応えのあるストーリーに出会いました。
無神論者の多い日本では目に見えない信仰よりも、科学的に証明されたものを好みます。
進化論にも触れる内容で、個人的にはとても納得するストーリーでした。
タイトルの「Keep The Faith」の訳に迷いましたが、「信仰をあきらめるな」にしました。

einstein-chuza

信仰をあきらめるな


「科学におけるイエス・キリストの問題点について説明しよう。」
無神論の哲学教授が授業前に立ち止まって、生徒の一人を起立させた。

「君は、クリスチャンだったね?」

「はい、そうです。」生徒は答えた。

「つまり、君は神を信じているわけだ。」

「そのとおりです。」

「神は善かね?」

「勿論です。神は善なる方であり、私は信仰しています。」

「神は全能かね?なんでも出来るのかね?」

「はい。」

「それでは、君は善かね、悪かね?」

「聖書は、私が悪であると言っています。」

教授は分かっていたかのようにニヤリと笑い、
「あはっ、聖書と来たか。」彼はしばらく考え
「君のために一つ、たとえば、ここに病人がいたとしよう。そして君は彼を治療することができるとする。それなら、君は助けるかね?助けようとするかね?」

「はい、きっとそうします。」

「そう、つまり、君は善なのだ…」

「そんなつもりで言ったわけではありません。」

「なぜそう言うのかね?君は出来るなら、病気で重傷の人を助けるのだろう?我々の大半も出来るならそうするだろう。しかし神はそうしない。」

生徒は答えなかった。そして教授は続けた。
「神はそうしないだろう?癌で死んだ私の弟はクリスチャンだった。彼はイエスに癒してくださいと祈ってさえいたのにね。これでイエスが善と言えるのかね?そう答えられるかね?」

生徒は黙ったままだった。

「答えられないだろう。」教授は言った。
彼はグラスの水を一口含み、生徒にリラックスする時間を与えた。

「さぁ、再開しようか、坊や。神は善かね?」

「えぇ…そうです。」生徒は言った。

「サタンは善かね?」

生徒はこれについてはためらわずに答えた。「いいえ!」

「それならサタンはどこから来たのかね?」

生徒はためらいながら「神…からです…」

「その通り!神がサタンを創造したのだったよね。
なら答えてみなさい。この世に悪は存在するかね?」

「はい。」

「悪はどこにでも存在する。
そして神は全てを創られた、そうだろう?」

「はい。」

「それなら、誰が悪を創り出したのかね?」

再び、生徒は何も答えなかった。

「病気は?不品行は?憎しみは?醜さは?これら全ての恐ろしいものはこの世に存在するかね?」

生徒は脚をもじもじさせながら答えた。「はい。」

「それなら、それらは誰が創り出したのかね?」

生徒はまた答えなかった。
そこで教授は質問を繰り返した。
「誰がこれらを創り出したのかね?」

答えがないまま、突然、教授は沈黙を破り、教室の前で行ったり来たり歩みを始めた。
クラス中は注目した。

「答えたまえ。」彼は続けて
「君はイエス・キリストを信じるのかね?」

生徒の声は教授と冷やかしの予想に反して、
「はい。先生。私はイエス・キリストを信じます!」

教授は歩みを止め、「科学では君が周りの世界を認知したり観察するのに使用する五感があると言っている。今までイエスを見たことがあるかね?」

「いいえ、一度も見たことがありません。」

「それなら、イエスの声を聞いたことがあるかね?」

「いいえ、ありません。」

「今までイエスに触ったり、味わったり、嗅いだりしたことがあるかね?イエス・キリストや神などについて知覚したことがあるかね?」

「いいえ、きっとないと思います。」

「それでも、君はまだ、彼を信じるというのかね?」

「はい。」

「経験則と、検証可能性と、実証の手順によると、科学では君の言う神は存在しないと言っている。何か言うことがあるかね?」

「何もありません。」生徒は答えた。
「ただ、私には信仰があるだけです。」

「そう、信仰。」教授は繰り返した。

「それこそが科学における神の問題点なのだよ。証拠は一切ない。ただあるのは信仰だけ。」

生徒は質問するまで、しばらくの間、黙って立っていた。

「先生、熱のようなものは存在するでしょうか?」

「勿論」教授は答えた。「熱は存在するよ」

「それでは冷たさというのは存在するのでしょうか?」

「そうだよ。冷たさも存在する。」

「いえ、存在しません。」

教授は生徒の方を向いて、明らかに興味津々だった。
教室は急に、静まり返った。
生徒は説明を始めた。

「私たちは熱について、いくらでも表現できます。超熱(super-heat)、メガヒート(mega-heat)、白熱(white-heat)、少しの熱(a little heat)、無熱(no heat)など。
しかし、冷たさについてはそうではありません。
ゼロより低い458度、つまり絶対零度までしかいけません。
それよりも先へはいけません。そういう冷たさはないのです。
そうでなければ、-458度よりもさらに冷たい地点へ行けるでしょう。
おわかりですか、教授、冷たさとは熱の欠落を説明することにしか使えない言葉なのです。
冷たさを測ることは出来ません。熱を熱量の単位で測ることが出来るのは、熱はエネルギーだからです。冷たさは熱の反対ではありません。ただ、熱が欠落している状態です。」

静寂がクラス中に広がった。教室のどこかでペンが落ちる音が、ハンマーのように鳴り響いた。

「それでは闇はどうですか、先生。闇のようなものは存在しますか?」

「勿論」教授はためらいもなく、答えた。
「闇でないなら、夜は一体何だと言うのかね?」

「また間違えましたね。闇は何かというものではありません。何かが欠落していることを言うのです。
光には、微光(low light)、通常の光(normal light)、眩しい光(bright light)、閃光(flashing light)など様々あります。
しかし、もし光が常時ない状態、何もない状態を闇と呼びますよね?
それこそが私たちがその言葉の定義として使用している意味です。
実際のところ、闇は存在しません。もし存在するなら、闇をいくらでも深くできることになりませんか?」

教授は生徒の前に立ち、笑い始めた。
これはとてもいい授業になるだろう。

「つまり、何が言いたいのかね?」

「はい。先生。私が言いたいのは、
あなたの哲学的な前提には初めから欠点があるということです。
つまり、あなたの結論にもまた欠点があります。」

今度は教授は驚きを隠せなかった。
「欠点があるって?どういうことだね?」

「あなたは二元論の前提で話しています。」生徒は説明した。
「あなたの論点では、生がありそして死があると。善の神と悪の神と。あなたは神の概念を何か有限で、我々が測れるものとして眺めている。
先生、科学は思考についてさえ説明できていません。
それは電気と磁気を使用していますが、決して見えません。まして、どちらもほとんど理解されていません。
死を生の反対と見るのは、死は現実のものとして存在できないという事実に無知であることになります。
では、答えてください、先生。あなたは生徒に、彼らは猿から進化したと教えますか?」

「君が自然の進化の過程を指していっているのなら、勿論そう教えるよ。」

「それでは、先生は今まで自身の目で進化を観察したことがありますか?」

教授は議論がどこへ行くのかさもわかったように笑いながら、首を振った。
とてもいい授業だ。本当に。

「誰も現場で進化の過程を見たことがなく、この過程を証明すらできないのですから、あなたはあなたの意見を教えているのではないですか?先生。あなたは今、科学者ではなく、説教者ではないですか?」

教室はざわつき始めた。
騒動が収まるまで生徒は黙ったままだった。

「もう少し理解を助けるために、私の言おうとしていることの例をあげると」
生徒は教室中を見渡した。

「皆さんの中で誰か、教授の頭脳を見たことがある人がいますか?」

教室は笑いに包まれた。

「ここにいる誰か、先生の頭脳を聞いたことがありますか?感じて、触れて、味わったことがありますか?
誰もいないようですね。それなら、経験則と、普遍性と、実証可能性において、お言葉ですが、教授、科学ではあなたには頭脳がないと言っています。
もし、科学があなたに頭脳がないというなら、我々はどうやってあなたの講義を信じられるというのでしょう?」

教室は静まり返った。教授は何とも言えない顔で生徒を見つめたままだった。

永遠に続くと思われたがとうとう、教授は答えた。

「私に頭脳があると「信じる」しかないようだね。」

‐作者不明‐
翻訳:Keiji

ところどころ訳が苦しい部分もありますが、大意は伝わったでしょうか。
このストーリーはアインシュタインの逸話とも言われたりします。

日本では学校の教科書にもあることから、当たり前に進化論が信じられていますが、誰もその過程を確認した人はいないし、元々の種が違うというのが私の見解です。

いつか、この点についてもつっこんで調べて書いてみたい気もしますが、それはまたの機会に。

※ちなみに本文中の-458度とはファーレンハイト度で表現した絶対零度の温度で、日本では―273度(セルシウス度)が有名ですね。

それでは今日はこのあたりで。

※このほかにも執事の話シリーズを書いていますので、是非ご覧ください。


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