誰でも少なからず、子供のうちにこういうことを
教えて欲しかったというものがあるだろう。
これから記す内容は私自身が経験してきたことで、
おそらく同じ世代を生きてきた人には
少なからず共感することがあるのではないかと思う。
学生時代、成績は割と優秀だった。
勉強すればぐんぐん成績は伸びたし、運動神経も良い方だった。
頑張れば評価されるのが学校であり、家庭であった。
そういう環境の中でいつのまにか、親や先生から褒められることが私のゴールとなっていた。
しかし、それは学校という箱庭の仮想世界でしかない。
実際に大人が住んでいる社会はどうなっていて、どういう危険があり、
どういう風に生きていきたいのか。今、学んでいることが、何に活かしていけるのか?
それを幼いうちから、考えていけるようにしてあげることが教育で最も大切なことではないかと思う。
勿論、目先の興味にしか関心を払わなかった自分にも責任はある。
しかし、進路を決めるときに、多くの学生が自分が将来何をしたいのか思い描けないのが今の教育の現状だ。
働くということについて、社会の一旦を担うことについて、
どんなことで生計を立てていきたいかについて、
もっとずっと小さいころから、考えて生きるべきだと思う。
私自身、進路を決めるとき、自分が何がしたいかよくわからなかったから、
とりあえず会社で働いてみようと思った。
社会勉強のつもりで、あれこれ仕事を変えてみた。
特定の産業に興味は持てなかった、というより、どんな仕事でもそれなりにやりがいを覚えることが出来た。
社会にある大抵の仕事は、人々の益になる貴い価値のある仕事なのだということを知った。
いくつかの会社で働いてみて、どこでも通用できるように、英語とITのスキルを磨いていこうと思った。
そんな風にして、今の自分がある。
時は戻すことはできないが、もし、もう一度子供に戻れたら、もっと早くに英語に真剣に取り組んでいただろうし
古文などの教養にしかならない教科をする暇があったら、プログラムや法律の勉強をしていたと思う。
数学も、微積分いらなかったと思う。
実社会で生きる上で何が自分に関連するかどうかわからない状態で幅広く教育を受けることに疑問を覚える。
むしろインターンシップを全ての業種で積極的に導入して、
自分がどういうことに興味がもてるのか?
どんな能力を磨いていけばよいのか?を知ることができるように
学生時代に自分と社会とのつながりを多くもてるようにして欲しかった。
今、一人の子を持つ親として、
私が経験した悔しさを、無駄にしないためにも
幼いうちから社会に対して、本人が何をして生きたいのかについて
いつも目を向けさせてあげたいと思っている。
どんな人も時代の影響を受けないではいられない。
私の世代の多くの人が、つまずいたであろう教育の問題について
これからの世代には、軽々と越えて、もっと先へ進んでいって欲しいと思う。